クラロワの公式eスポーツ大会であるクラロワリーグ。
今年のクラロワリーグは個人戦となりましたが、その中にスイス式トーナメントという競技形式があります。聞き慣れない人も多いと思うので本記事ではその内容について見ていきます。
目次
概要
スイス式トーナメントについては下記のリンクなどで内容を確認できます。
👉スイス式トーナメント – Wikipedia
👉スイス式トーナメントについて | ず’s 将棋
スイス式トーナメントはスイスドローとも呼ばれます。
用語についてですが、英語でtournamentと言うのは競技大会ぐらいの意味で、競技の形式を表す言葉では無いように思います。
ですので、スイス式トーナメントというのは、スイス式(Swiss Format)で行う競技大会という意味になります。これ以降スイス式とだけ表記します。
ちなみに日本語で「トーナメント」とだけ言うと、次章で触れる勝ち抜き戦の形式を指す事が多いですね。
他形式との比較
スイス式と他の競技形式を比べてみます。
勝ち抜き戦
勝ち抜き戦は、英語だとelimination(エリミネーション/排除)やknockout(ノックアウト/脱落させる)という言葉を使います。
メリット
- 負けた人から脱落なので分かりやすい。
- 後半になるほど強い人同士が戦い、盛り上がる。
- 試合数が少なくて済む。
デメリット
- 最初の方で強い人同士が戦うとそこでどちらかが敗退することになってしまう。
- 1回で脱落してしまうので、運の要素が大きくなる。
上記のデメリットをカバーするために、シード制やダブルエリミネーション方式(敗者復活あり)を採用する場合もあります。
総当たり戦
総当たり戦は参加者全員が他の全員と戦う競技形式です。英語ではround-robinと言います。
メリット
- 全員が十分な同じ試合数を行うので実力を評価しやすい。
デメリット
- 人数が多くなるに連れ、試合数がはね上がる。
スイス式
スイス式は簡単に言うと参加者全員が同じ試合数行う競技形式です。
総当りではなく、ある決められた試合数、戦うということになります。
メリット
- 全員が同じ試合数を行うので実力を評価しやすい。
- 人数が多くても決められた試合数で終わる。
デメリット
- 仕組みが複雑。
大人数が参加する大会で一気に順位を決めたい場合、勝ち抜き戦や総当たり戦ではどちらもデメリット部分が大きくなるので、スイス式はその両方の良いところを混ぜたような形式とでも言えるかも知れません。
スイス式の基本
ここではスイス式の一般的なルールを示します。
スイス式では各ラウンドの試合は基本的に同時に行います。
各ラウンドの対戦相手は、その時点での得点(スコア・ポイント・順位)が近い人同士となります。
ただし、同じ相手と2度戦うことはありません。毎試合違う相手と戦います。
初戦の対戦相手は、ランダムだったり何らかの順番で決めたり、色々です。
クラロワリーグのスイス式
クラロワリーグ全般の事は下記記事に詳しく書きました。
クラロワリーグでは、マンスリー予選のDay1でスイス式が採用されます。グループ(タイムスロット)ごとに下記の内容で行われると思われます。
- 参加人数:最大250人
- ラウンド数(試合数):(おそらく)11試合
- 各試合、BO3(3ゲーム勝負)で勝負を付ける
※上記記事にも書いた、公開されている大会ハンドブックの情報をもとに本記事を書いていますが、計算方法など、推測で書いている部分もあるので実際は異なる部分がある可能性があります。ご了承ください。
タイブレイカー
例えば200人の人が11試合行った場合、9勝2敗の人が大量に出ます。
その中で順位を付けないといけない場合、総当たり戦ではないので直接対決の成績で決める事はできません。
同じ勝敗になった人に順位を付けるための方法をタイブレイカーと言い、複数の条件があります。クラロワリーグの場合、優先順位は下記のようになります。
1. 対戦相手のMatchの勝率
(The Players Opponent’s Match Win Percentage)
2. プレイヤーのGameの勝率
(The Players Game Win Percentage)
3. 対戦相手の対戦相手のMatch勝率
(The Players Opponent’s Opponent’s Match Win Percentage)
例
言葉だけでは分かりにくいので、理解するために一つ例を作ってみます。
A・B・C・D・E・Fの6人がスイス式で戦います。3ラウンド(各選手3試合ずつ)行います。
下記がラウンド1を終えた時の順位表です。
初戦はA vs B、C vs D、E vs Fを行いました。
勝敗(Match勝率)が同じプレイヤーでも、タイブレイカーの2番目「Game勝率」により、順位が付いています。1戦ではまだタイブレイカーの1番目と3番目では差が付かないため、表記を省いています。
次にラウンド2の対戦相手を決めます。
順位の隣り合う同士でペアを作っていき、A vs C、E vs F、B vs Dとなります。
下記がラウンド2を終えた時の順位表です。
1勝1敗で4人が並びました。ここにタイブレイカーのルールが適用されます。
タイブレイカー1「対戦相手のMatch勝率」
プレイヤーCに注目すると、これまで戦った対戦相手はDとAです。DのMatch勝率は50%、AのMatch勝率は100%なので、「対戦相手のMatch勝率」は平均を取って『(50% + 100%) / 2 = 75%』となります。
プレイヤーFに注目すると、対戦相手はEとB。EのMatch勝率は50%、BのMatch勝率は0%ですが、「勝率が33%未満の時は33%として計算する」というルールがあり、「対戦相手のMatch勝率」は『(50% + 33%) / 2 = 42%』となります。
ざっくり言うと、Cは(勝率の高い)強い相手と戦ってきたので、(勝率の低い)弱い相手と戦って来たFより上の順位になるという事になります。
この段階ではDとEが同じ50%で並んだので、この両者に次のタイブレイカーが適用されます。
タイブレイカー2「Game勝率」
これはプレイヤー自身の成績なので分かりやすいですね。
ここで、DがEを上回り、全ての順位が決まりました。
もしここでも並んだプレイヤーがいた場合、次の「対戦相手の対戦相手のMatch勝率」で決めます(計算や説明は省きます)。
ラウンド3の対戦相手を考えてみると、対戦済の相手を外した上で順位が近い相手を探すと、A vs D、C vs F、E vs Bあたりになるのでしょうか。
ここで挙げた例はシンプルにしましたが、実際は縦(プレイヤー数)は200以上、横(ラウンド数)は11と、規模が大きくなります。
まとめ
スイス式では、全員が決まった試合数行い、毎試合順位の近い人と戦います。
勝敗が並んだら、これまで弱い相手と戦ってきた人より、これまで強い相手と戦ってきた人の順位を「上」と見ます。
簡単にまとめるとこのようになります。
最後に
スイス式のデメリットの所に仕組みが複雑と書きましたが、これはあくまでも、対戦相手決めや順位計算の部分を人力で行うことは難しく、何らかのプログラムに任せるしかないというぐらいの意味で書きました。
実際にトーナメント(=大会)に参加するプレイヤーは、ラウンドごとに割り当てられる対戦相手と戦って勝ちに行くだけなので、難しいことを考える必要は無いと思います。
以上です! Enjoy クラロワリーグ!
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