今年もクラロワリーグの季節がやってきました。
先日、今年のクラロワリーグについての詳細が発表されましたので、本記事ではこのクラロワリーグ2023(以降「本大会」と記述)がどういう大会なのか?という点についてまとめてみたいと思います。
【更新履歴】
[2023/02/08] 各言語のルールブックが公開されましたのでルールブックの章を更新しました。
目次
情報源
本大会を理解する上での情報源となるリンク等を紹介します。
公式サイト・SNS
クラロワeスポーツ 公式サイト
Clash Royale Esports esports.clashroyale.com
クラロワeスポーツ 公式Twitter
Clash Royale Esports @EsportsRoyaleEN
クラロワ 公式Twitter
クラロワ公式 @ClashRoyaleJP
日本語の公式Twitterです。
今回の開催発表
1/27(金)に本大会の情報が解禁となり、1/31(火)にはルールブックを含む詳細が公開されました。
公式動画(TVロワイヤル特別編)
CLASH ROYALE LEAGUE 🏆 2023 Esports Announcement
1/27 公式記事
【日本語版】クラロワリーグが今年も開催!
1/31 公式記事
CRL23: Everything you need to know!
【日本語版】ゲーム内クラロワニュースに掲載。記事名「クラロワリーグ2023の全貌を大公開!」
ルールブック
【2023/02/08更新】日本語などのルールブックも公開されましたので本章に反映しました。
前述の公式記事内にルールブックへのリンクがあります。
2/8(木)、公式のツイートにより各言語のルールブックが公開されました。主なリンクを下記に掲載します。
【英語】supr.cl/CRL23rules_EN
【日本語】 supr.cl/CRL23rules_JP
日本語版が読みやすいですが、ルールブック中に下記の文言があるように、問題発生時などに確認すべきなのは英語版となります。
本大会の公式ルールは、多種多様なプレイヤーを受け入れる目的で、複数言語に翻訳されています。本ルールについて論争が生じた場合や、本ルールの翻訳が原文と矛盾する場合は、本書の英語版の記述を優先します。
本記事では、主にこのルールブックを見て本大会の内容をまとめました。
【注意】ルーブルックは今後改訂されて内容が変更する可能性があり、本記事の内容は古くなる可能性があります。それも含め本記事の内容には間違いや足りない情報がある場合がありますので、選手として参加される方は特に最新のルールブックを確認するようにしてください。
大会概要
クラロワリーグ(Clash Royale League / CRL)は2018年から始まり毎年行われているクラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)の公式eスポーツ大会です。
2020年まではチーム戦でしたが、2021年以降は個人戦となっています。
世界一決定戦への出場枠
本大会の最後の舞台である世界一決定戦に出場できるのは16名の選手です。
その内訳はこのようになります。
- メイン/グローバル : 14名
- 中国 : 2名
中国のみクラロワのサーバーが分かれているので、予選にあたる大会を一緒に行うことができず、別枠扱いとなります。
本記事では本大会のメイン(中国以外)の部分について見ていこうと思います。
7回のマンスリーラウンド
月単位でラウンドという戦いが行われます。これが7回行われます。
(本記事では分かりやすいようにマンスリーラウンドと呼ぶ場合があります)
各ラウンドの優勝者がゴールドチケットを獲得します。つまりは世界一決定戦への出場権を獲得します。これで7名が決定します。
また、ラウンドで戦った成績によって選手は大会ポイントを獲得します。全ラウンドが終了した時点で累計大会ポイントの上位7名が世界一決定戦への出場権を獲得します。
つまり、「7回のラウンド」→「世界一決定戦」という風に直結し、昨年まで行われたラストチャンス予選(LCQ)は今年は行われません。
ラウンドの内容
毎月のラウンドを分解するとこのようになります。
- 伝説の道(マルチ)
- マンスリーイベント(*)
- マンスリー予選
- Day 1: スイス式
- Day 2: グループ戦(*)
- マンスリー決勝戦
- マンスリー予選
(*)筆者が説明用に付けた名称
まず、マルチの上位1000名がマンスリー予選にエントリーする権利を得ます。
マンスリー予選のスイス式では32名、グループ戦では8名に絞り込まれます。
大会ハブ・試合形式
マンスリーイベントは全てゲーム内の大会ハブ(Tournament Hub)(*)を使って行われます。大会ハブ内で、マンスリー予選へのエントリー、大会へのチェックイン、試合へのチェックイン、試合、観戦など全てが行われます
(*)ゲーム内に実装されている大会管理システム
また、マンスリーイベントの対戦形式は全て「ゲーム内デュエル(Duel)」です。
デュエルとはカードのカブらない最大3つのデッキを使って行うBO3(3Game勝負)のことです。「ゲーム内デュエル」は対戦前に用意した4つのデュエルデッキによって行う「デュエルフレンドバトル」形式の対戦方法です。
デュエルの対戦自体をMatchと呼び、デュエル内の各対戦をGameと呼びます。
参加資格
本大会の参加資格は下記のようになります。
【年齢】16歳以上(マンスリー予選へのエントリー締め切り時点)
【居住地】居住地のアプリストアでクラロワがダウンロードできる国に居住している必要があります。
カレンダー
クラロワリーグの日程が分かるようにカレンダーを作ってみました。
マルチのシーズンが終わってからマンスリー予選、マンスリー決勝戦が行われるまでの日数は固定されています。
伝説の道
ここからは本大会内の各段階について詳しく見ていきましょう。
マンスリーラウンドの始まりである伝説の道(Path of Legends)はいわゆるマルチです。
毎シーズン(毎月)の最終順位で1000位以内(1000位タイも含む)に入ることで、次の段階(マンスリー予選)に進むことができます。
マンスリー予選
マンスリー予選(Monthly Qualifier/MQ)から大会ハブ内で行われます。
マンスリー予選は2日間、Day1とDay2を異なる形式で行います。
エントリー
マンスリー予選に参加するにはエントリー(参加登録)が必要です。
伝説の道での戦い(シーズン)が終わると、Top1000のプレイヤーにゲーム内メッセージが届き、そこからエントリーできます。
エントリー期間は3、4日間程度なので、選手は忘れずにエントリーしましょう。
エントリー締め切りはマンスリー予選開始日の日本時間22:30(UTC13:30)です
Day 1: スイス式
マンスリー予選のDay1はスイス式(Swiss Bracket)で行われます。上位32名が次の段階(Day2)に進みます。
タイムスケジュール
内容 | UTC | 日本時間 |
---|---|---|
大会チェックイン(*1)開始 | 11:30 | 20:30 |
大会チェックイン終了 | 13:30 | 22:30 |
1試合目チェックイン(*2)開始 | 14:00 | 23:00 |
(*1)その日のチェックイン(参加意思表明)
(*2)スイス式の試合(ラウンド)ごとのチェックイン。各試合の開始前の5分間チェックインが可能となり、チェックインが行われないとその試合は負けとなる。
概要
スイス式とは簡単に言うと次のような大会形式です。
- 選手全員が同じ試合数戦う
- 2戦目以降は勝利数が(極力)同じ選手同士の対戦となる
- 1度対戦した相手とは2度と対戦しない
試合数(ラウンド数)
参加人数に基づいて変動しますが、最大で11試合です。
タイブレイカー
順位の決め方は基本的には勝利数が多い選手が高い順位となります。同じ勝利数で並んだ場合は下記の順に見て、数値が大きいほうが高い順位となります。
- (自分のGame勝率 + 対戦相手のMatch勝率) ÷ 2
- 自分のGame勝率
- 対戦相手の対戦相手のMatch勝率
対戦相手に関する勝率を見る際、0.33より小さい場合は0.33として計算されます。
ざっくり言うと、同じ(Matchの)勝利数でも、Gameの勝率が高い方が有利となり、強い(成績の良い)相手と戦ってきたケースほど有利になるということです。
参考記事
スイス式については2021年にも下記記事で詳しく書きました。今回と異なる点もあると思いますが参考までに。
Day 2: グループ戦
マンスリー予選のDay2はグループ戦(Double Round Robin: ダブル総当たり戦)です。
タイムスケジュール
内容 | UTC | 日本時間 |
---|---|---|
大会チェックイン(*1)開始 | 11:30 | 20:30 |
大会チェックイン終了 | 13:30 | 22:30 |
1試合目開始 | 14:00 | 23:00 |
(*1)その日のチェックイン(参加意思表明)
概要
32名が4名から成る8つのグループに分けられ、各グループで総当たり戦を2回行います。
つまり選手は3人相手に2回ずつ戦い、合計6試合行うことになります。
各グループで1位となった選手が最終段階(マンスリー決勝戦)へ進みます。
グループ分け
Day1の順位によりグループ分けされます。
G1 | G2 | G3 | G4 | G5 | G6 | G7 | G8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
32 | 31 | 30 | 29 | 28 | 27 | 26 | 25 |
タイブレイカー
順位の決め方は基本的には勝利数が多い選手が高い順位となります。同じ勝利数で並んだ場合は下記の順で順位を決めます。
- 直接対決の結果
- Game勝率の高い方
- 別途トーナメントを実施
3のトーナメントは、Day1の順位によってシード順が決まります。3人での実施となった場合はシード順が1位の選手は1回戦が不戦勝となります。
マンスリー決勝戦
マンスリー決勝戦(Monthly Final/MF)は、8名がダブルエリミネーション方式(敗者復活あり)のトーナメントで対戦します。
優勝者(*)はゴールドチケット、つまり世界一決定戦への出場権を獲得します。
(*)ゴールドチケット獲得者も残りのマンスリーラウンドに参加できるので、正確には「ゴールドチケット未獲得者の中での最高順位の選手」がゴールドチケットを獲得します。
開始時間
マンスリー決勝戦は2日間行われ、各日、日本時間23:00(UTC14:00)の開始となります。
日程
Day1は8試合(UB4試合、UB2試合、LB2試合)、Day2は最大7試合(LB2試合、UB決勝、LB、LB、グランドファイナル)が行われます。
(*)UB = Upper Bracket、LB = Lower Bracket
配信・観戦
マンスリー予選
マンスリー予選は公式の配信が行われるかどうかは現時点で不明です。複数の試合が同時に進行するので、過去の例から、配信されたとしても、公式に許可を受けた複数のストリーマーが観戦配信する形になるのではないかと予想されます。
参加選手は自分視点の画面のみ配信可能です。この場合配信は自己責任となります。配信を行う場合は配信を通して使うデッキがバレないようにするなどの対策を考えるべきでしょう。
また、試合を見たい人は大会ハブから好きな試合を観戦することが可能です。
マンスリー決勝戦
マンスリー決勝戦は公式の配信が行われます。
出場選手はWebカメラの使用を求められます。
大会ポイント
選手はマンスリー予選とマンスリー決勝戦の戦績により大会ポイント(Competitive Points)を獲得します。
【注意】2021年開催時はマルチの結果でもポイントが入りましたが、今回は入りません。
マンスリー予選
マンスリー予選では、Day1、Day2ともに、各マッチに勝利するごとに5ポイントを獲得します。
Day1のスイス式で最大の11試合が行われた場合だと、選手はDay2と合わせて最大17試合(11 + 3×2)行い、最大で85ポイント獲得できることになります。
マンスリー決勝戦
マンスリー決勝戦では順位に応じて大会ポイントを獲得します。
順位 | 獲得ポイント |
---|---|
1位 | 100ポイント |
2位 | 80ポイント |
3位 | 65ポイント |
4位 | 50ポイント |
5~6位 | 40ポイント |
7~8位 | 30ポイント |
CRLランキング
獲得した大会ポイントの累計によりCRLランキング(CRL Leaderboard)が決まります。
最後のマンスリーラウンドが終了した時点で、ランキングの上位7名(ゴールドチケット獲得者は除く)が世界一決定戦に出場する権利を獲得します。
タイブレイカー
大会ポイントが並んだ場合、下記の順で順位を決めます。
- マンスリー決勝戦での勝利数の合計
- マンスリー決勝戦で獲得した大会ポイントの合計
- 全ての伝説の道(マルチ)シーズンの順位の平均
賞金(マンスリーイベント)
選手はマンスリー予選とマンスリー決勝戦の戦績により賞金を獲得します。
マンスリー予選
順位 | 賞金 |
---|---|
9~16位 | 750ドル |
17~32位 | 500ドル |
つまりDay2に進んだ選手から賞金が手に入るという事です。
マンスリー決勝戦
順位 | 賞金 |
---|---|
1位 | 16,000ドル(約210万円) |
2位 | 10,000ドル |
3位 | 7,000ドル |
4位 | 4,000ドル |
5、6位 | 2,000ドル |
7、8位 | 1,000ドル |
世界一決定戦
世界一決定戦は16名の選手が参加し実施されます。
オフライン(対面での対戦)で行われ、クラッシュ・オブ・クラン(クラクラ)との合同開催(*)が予定されています。これは前年と同じ形式です。
(*)2022年のクラッシュフェス記事参照。
日程
11/24(金)~26(日)の3日間
場所
(未発表)
大会形式・対戦形式
ダブルエリミネーション方式(敗者復活あり)のトーナメントが実施されます。
各対戦はデュエルで行われます。Game間にデッキを決める時間が2分間与えられます。
シード順
トーナメントのシードは次のように決まります。
シード順 | 選手 |
---|---|
1~7 | マンスリー決勝の優勝者(優勝順) |
8 | 中国地域からの選手 その1 |
9 | CRLランキング 1位 |
10 | 中国地域からの選手 その2 |
11~16 | CRLランキング 2~7位 |
賞金
世界一決定戦の賞金は下記のようになっています。
順位 | 賞金 |
---|---|
1位 | 250,000ドル(約3200万円) |
2位 | 125,000ドル |
3位 | 80,000ドル |
4位 | 65,000ドル |
5、6位 | 50,000ドル |
7、8位 | 40,000ドル |
9~12位 | 30,000ドル |
13~16位 | 20,000ドル |
まとめ
本大会の全体を見てのまとめです。
賞金について
本大会(クラロワリーグ2023)全体での賞金総額は130万ドル(約1億7000万円)と発表されています。
実際に計算してみると、マンスリーラウンドの賞金の合計は57,000ドル。7ラウンド合計で399,000ドル。世界一決定戦の賞金の合計は900,000ドル。
合計すると1,299,000ドルでした。
また、1人の選手が本大会全体で獲得できる賞金を計算すると、最大で362,000ドル(約4700万円)となりました。
世界一決定戦に進むには
世界一決定戦に出場するにはどうすれば良いか? 選手ではない筆者が考えてみます。
マンスリー決勝で優勝して一発で世界一決定戦に進むルートはあるものの、基本的には選手は大会ポイントのランキングで上位14名に入る(*)ことを目標にすべきでしょう。
(*)その中の7名はゴールドチケットを獲得すると考える
そのため、選手が行うべき最も大事なことは「最初のマンスリーラウンドから全力で取り組む」ことだと思います。出遅れは致命傷になりかねません。
大会ポイントのボーダー
2021年のポイント上位をまとめたのが下記記事です。この時含まれたマルチのポイントは今回は含まれませんが、マンスリーイベントで入るポイントは今回も似た感じなので参考になるでしょう。
ざっとですが、7回のマンスリーラウンドのうち、4回はマンスリー予選のDay2に進み、うち1回はマンスリー決勝に出場して好成績を取るぐらいがTop14のボーダーになるのではないかと予想します。ポイントにすると440ptぐらいでしょうか(外れても責任持ちません😅)。
最後に
2021年や2022年のクラロワリーグと比べた時、本大会の特徴は「シンプル化・スリム化・省力化」と言えるのではないかと思います。
シンプル化
2022年は各種コミュニティー大会がクラロワリーグの中に採用され、選手は大会ごとに異なるルールに苦しむ部分があったと思います。また欧米中心の大会となり試合の時間がアジアでは深夜帯になることも多く、そもそもアジア等のプレイヤーが参加できる大会が少なくなったという問題も発生しました。今年は大会ルールが一つでシンプルになりました。
スリム化
前年までは世界一決定戦に出場するための最後のチャンスとなる大会(ラストチャンス予選などと呼ばれる)がありましたが、今年は無く、単にマンスリーラウンドを7回繰り返すだけです。大会全体がスリムになりました。
また、2021年はスイス式大会は選手は4つの時間帯(タイムスロット)の好きな所にエントリーして戦う形式でしたが、今回は全選手まとめて1つのスイス式大会に参加する形となりました。
これもスリム化ですが、以前は選手が参加しやすい時間帯を選べたことを考えると、マイナス面もあると思います。同時に多くの選手がプレイするようになることから、アナリスト(デッキを考えたりして選手をサポートする人)の不足を心配する声も聞かれます。
省力化
マンスリーイベントの形式は2021年とほぼ同じですが、2021年は手動でのデュエルが行われていました。手動という事は選手が目視でカードがカブっていないか確認してデッキを組み、Gameごとにフレンドバトルを行っていたということです。これは選手もミスをしますし、カードカブりが発生した時は大会運営の労力と時間がかかることとなりました。
2022年の途中から「デュエルフレンドバトル」がゲーム内に実装され、1回のフレンドバトルの中でデュエルが実現し、カードカブりは発生しなくなりました。これはミスが無くなったり大会の時間短縮という面では選手のメリットですが、大会運営から見た省力化が大きいように思います。
これらの「シンプル化・スリム化・省力化」はメリットだけでは無いですが、一旦今年は削ぎ落とせるだけ削ぎ落とした形式で行い、改善すべき部分はまた来年に肉付けすればいいかな?という風に思います。
SNSでの選手などの反応を見ると今年の大会形式は概ね好評のようです。
また今年一年、選手達の熱い戦いを楽しみにしたいと思います!
関連記事
2021年の大会形式
2022年の大会形式(開催発表時)
2022年の後半の大会形式
以上です! Enjoy クラロワリーグ!
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