目次
はじめに
クラクラ(クラッシュ・オブ・クラン)やクラロワ(クラッシュ・ロワイヤル)、ブロスタなどのモバイルゲームを世界にリリースしているのがフィンランドにあるSupercell社です。
2021年2月16日にSupercellのCEO(最高経営責任者)であるIlkka Paananen(イルッカ・パーナネン @ipaananen)氏が公式サイトにブログを投稿しました。
👉My Take on Supercell in 2020 as We Begin our Second Decade × Supercell
タイトルを訳すと「次の10年を迎える2020年のSupercellについての私の見解」といった感じでしょうか。
2020年はSupercellにとって設立10周年という節目の年でした。その2020年をCEO自らが振り返る内容となっています。
内容は実際にブログを見たほうが早いですし、英語が読めない場合はページごとGoogle翻訳にでもかければだいたいの意味は分かると思います。
本記事では内容の概要、個人的に興味を引いた部分を、色々と調べたり説明を加えたりしながら見てみたいと思います。
日本語訳(意訳を含む)の部分は青字にしてあります。誤訳等があったらすいません。
ブログ内容
ブログタイトル『MY TAKE ON SUPERCELL IN 2020 AS WE BEGIN OUR SECOND DECADE』
『次の10年を迎える2020年のSupercellについての私の見解』
冒頭
新型コロナウイルスとゲーム
(前略), and we hope that our games have provided moments of happiness to our players and helped them stay (safely) connected with friends during the pandemic.
私たちのゲームがプレイヤーに幸せの瞬間を提供し、パンデミックの間、プレイヤーが友達と(安全に)つながり続けるのに役立つことを願っています。
10周年を迎えて
Last year our company turned ten, but it still feels like early days for us. We know we can still make our company, our teams and our games so much better
昨年、当社は10歳になりましたが、それでもまだ初期だと感じています。 私たちは、会社、チーム、ゲームをもっと良くできることを知っています。
2020年について
We saw our monthly active players increase year-on-year. We also achieved some incredible milestones with our total installs across all five games crossing 5 billion, and Brawl Stars getting so much love it became our fifth game to hit $1 billion in total gross sales.
月間のアクティブプレーヤーは前年比で増加しています。 また、5つのゲームすべての合計インストール数が50億を超え、驚くべき記録を達成しました。またブロスタがとても愛され、総売上高が10億ドルに達する5番目のゲームになりました。
5つのゲームというのは現在Supercellがグローバルリリースしているクラクラ、クラロワ、ブロスタ、ヘイ・デイ、ブーム・ビーチですね。
リモートワークへの移行
見出しタイトル『Going from Four Offices to More Than 300 Home Offices』
『4つのオフィスから300を超えるホームオフィスへの移行』
新型コロナウイルスの影響
Supercell is known for small independent game teams or “cells” that sit together in their own space working on their own game, so this was a slightly bigger change for us than what it may sound like.
Supercellは、小さな独立したゲームチーム、つまり自分のスペースに一緒に座って自分のゲームに取り組んでいる「セル」で知られているため、これは私たちにとって、見た目よりも少し大きな変化でした。
My favorite question to ask the game teams is “are there obstacles that I can remove?” During the pandemic, many of the obstacles that I heard back had to do with the personal / family situation of the Supercellians, e.g. homeschooling their kids while trying to work. Obviously, there was only so much we could do to help. But we did try, for example by providing separate remote working spaces and supplying proper office equipment to peoples’ homes.
ゲームチームに尋ねる私のお気に入りの質問は、「私が取り除くことができる障害物はありますか?」です。パンデミックの間、私が聞いた障害の多くは、スーパーセリアンの個人的/家族的な状況に関係していました。たとえば、仕事をしようとしているときに子供を自宅学習させることです。明らかに、私たちが助けることができることはそれほど多くありませんでした。しかし、私たちは、たとえば、個別のリモート作業スペースを提供し、人々の家に適切なオフィス機器を供給することによって試みました。
新型コロナウイルスの影響により、思った以上にSupercellにとってゲームを作る環境は厳しいものになったようですね。Supercellの名前の由来にもなっている開発チームの単位「セル」が分断されコミュニケーションなどスムーズに行かない部分が出たようです。
ちなみにSupercellian(スーパーセリアン)というのはSupercellの社員・スタッフの総称のようです。
ブロスタ
見出しタイトル『Brawl Stars’ Biggest Year Yet』
『ブロスタ史上最大の年』
波に乗るブロスタ
We continue to be inspired by the Brawl Stars player community, and the team added millions of new players this year with their launch in China! The introduction of Brawl Pass has been a game changer and helped them introduce Tara’s Bazaar and Summer of Monsters, they revealed the world is set in Starr Park (did you see the weird thing that happened during the Brawl Talk?!?!), and they introduced Holiday Getaway. The team is planning to deliver even more creative themes and content in 2021!
【意訳】ブロスタは今年中国でもリリースされ、数百万人のプレイヤーを増やしました。ブロスタパスの導入は革新的であり、多くのユニークなシーズンを産み出しました。
2020/5/13(水)のアップデートでブロスタパスが導入され、シーズンというくくりが生まれました。
マップメーカー/eスポーツ
They also released their Map Maker beta to the community and the response has absolutely blown our minds. YOU have created over 150 million maps since October and accumulated more than 50 million hours of playtime. We also continue to be amazed at the participation in Brawl Esports: 15 million players participated on average in each monthly World Championship challenge, leading to 36 thousand team sign ups and PSG winning the World Finals in November. Congrats!
【意訳】マップメーカーでは10月以来1億5000万以上のマップが作成され、5000万時間以上プレイされました。
毎月のワールドチャンピオンシップチャレンジには平均で1500万人のプレイヤーが参加し、36000のチームが参加しました。
マップメーカーというのはユーザー自身がマップ(ステージ)を作ることができ、そのマップでみんなが遊べるという仕組みです。
ブロスタチャンピオンシップは2020年に行われた公式eスポーツ大会で、賞金総額150万ドル(約1億6000万円)の規模の大会です(2021年も開催されます)。
クラクラとクラロワ
見出しタイトル『Clash Evolution and Risk Taking Royale』
『クラクラの進化とリスクを負ったクラロワ』
クラクラ
Clash of Clans had another great year! The team put out some great updates, which included supercharging regular troops, and adding new troops, village customization and a ton of Hero skins! There’s more big updates on the way from the team this year and they can’t wait for players to see everything that’s coming.
クラッシュ・オブ・クランは今年も素晴らしい年でした!チームは、ユニットの大量追加、村のカスタマイズ、大量のヒーロースキンなど、いくつかの素晴らしいアップデートを発表しました!今年はチームからさらに大きなアップデートがあります。
クラロワ
Right now it’s fair to say that we are definitely not where we want to be with Royale. The Clan Wars 2 update did not turn out to be as great as we had hoped and we’ve gotten a ton of feedback from the community about it. The game has so much more potential and the team is fully committed to making it much better for players in 2021.
今のところ、クラッシュ・ロワイヤルは望んでいた状態ではないとはっきり言えるでしょう。クラン対戦2のアップデートは、私たちが期待していたほど素晴らしいものではなかったため、コミュニティから大量のフィードバックを受け取りました。このゲームには非常に多くの可能性があり、チームは2021年にプレイヤーにとってより良いものにすることに全力で取り組んでいます。
We are grateful for all of the passionate players we have in that game and we want to make it better for all of you, keep the feedback coming!
このゲームに参加している情熱的なプレイヤー全員に感謝し、皆さんのためにもっと良くしたいと思っています。どんどんフィードバックをお願いします!
2021年、クラロワの改善、改良に期待したいです!
Clashアニメーション
短編映画「Lost and Crowned」をリリースし、すべてのプラットフォームを合わせて1億回以上視聴されました。
ブーム・ビーチとヘイ・デイ
見出しタイトル『Help Your Neighbor. Help the Planet』
『隣人を助けなさい。地球を助けなさい。』
Both the Boom Beach and Hay Day teams continued to deliver great content and features this year.
ブーム・ビーチチームとヘイ・デイチームの両方が、今年も素晴らしいコンテンツと機能を提供し続けました。
コミュニティとの関わり
見出しタイトル『Incredible Community Creativity』
『驚くべきコミュニティの創造性』
Supercellクリエイタープログラム
In 2020, on top of Brawl’s Map Maker, our teams put a ton of effort into supporting community involvement like with the Content Creator Program, which was built for Creators to get exclusive sneak peeks, tools, and support from Supercell.
2020年、ブロスタのマップメーカーに加えて、私たちのチームはコミュニティの関わりをサポートすることに力を入れました。例えばクリエイターのために構築されたコンテンツクリエイタープログラムではSupercellからの独占的な先行情報、ツール、サポートを得ることができます。
There are now over 1,500 creators in the program and 70 million Creator Boost purchases have been made by 23 million players!
現在、プログラムには1500人を超えるクリエイターが参加しており、2300万人のプレイヤーが7000万回のクリエイターブーストによる購入を行っています。
クリエイタープログラムが始まった頃に下記記事を書きました。
Supercell Make
Supercell Make is a program where artists can submit content for their favorite games and the community votes to help determine what is added into the game. Last year we saw thousands of submissions by thousands of individual artists resulting in Horus Bo, Demonic Bo, ZomBibi, and Nutrcracker Gale skins that were added to Brawl Stars. Makers also designed War Scenery and Barbarian King skins for Clash of Clans. So far, community artists have earned over $200 thousand through Supercell Make!
【意訳】Supercell Makeは、デザイナーがお気に入りのゲームのコンテンツを作り、コミュニティの投票によってゲームに追加されるものが決まるプログラムです。これまでにブロスタとクラクラのスキンが採用されました。デザイナーはこれまでSupercell Makeを通じて20万ドル以上を稼いでいます。
下記記事に書きましたが、デザイナーが作ったスキンが購入されると原則、利益の25%を手に入れることができます。
Killするゲーム・産まれるゲーム
見出しタイトル『Building for the Future』
『未来のための構築』
ヘイデイポップ
(前略), but first I wanted to mention Hay Day Pop, which was killed by the game team, making it our second game in two years killed in beta.
最初に、ゲームチームによってKillされたヘイデイポップについて言及したいと思います。これは、ベータ版でKillされた2年ぶりの2番目のゲームです。
killを直訳すると殺すとなり、リリースせずに開発を中止するというような意味です。本記事ではKillすると記述します。
The Hay Day Pop team’s overall goal was to bring something new to the puzzle genre. They believe in many ways they did this and we’re super proud of what they accomplished. It must be one of the best games we ever killed. However, unfortunately it didn’t find a large enough audience. The team ultimately felt like they could create better games and decided to kill it and shared their learnings with all of Supercell.
ヘイデイポップチームの全体的な目標は、パズルのジャンルに新しい何かをもたらすことでした。彼らは多くの方法でこれを行ったと信じており、私たちは彼らが成し遂げたことを非常に誇りに思っています。それは私たちが今までKillした最高のゲームの1つでなければなりません。しかし、残念ながら、十分な数のプレイヤーを見つけることができませんでした。チームは最終的に、より良いゲームを作成できると感じ、それをKillすることに決め、学んだことをすべてのSupercellと共有しました。
2020年5月14日に同じくIlkka Paananen氏によって書かれたブログにもこういう記述があります。
(スマッシュランドとラッシュウォーズについて)どちらも非常に洗練された楽しいゲームで、早い段階で肯定的なフィードバックと興奮を受け取りました。しかし、彼らは人々が何年もプレイするゲームではなかったので、彼らの開発チームは彼らをKillすることに決めました。
(10 Learnings from 10 Years × Supercell より)
グローバルリリースするゲームは「長く遊ばれる」ゲームである必要があるというSupercellの方針・哲学を見ることができます。
I’m very hopeful that in 2021 we’ll have more new betas launched, and potentially more than we’ve had in a very long time. Any of them could be killed at any time by the game teams due to our high quality bar, but there is definitely a lot of excitement inside Supercell! We obviously cannot wait to show them to everyone, and hope we can share more news soon!
2021年には、より多くの新しいベータ版がリリースされ、非常に長い間持っていたよりも多くなる可能性があることを非常に期待しています。高い品質基準があるため、ゲームチームはいつでもそれらをKillすることができますが、Supercellの内部には間違いなくたくさんの興奮があります!
私たちはそれらをみんなに見せることを待ちきれません、そして私たちがもっと多くのニュースをすぐに共有できることを願っています!
新しいゲームタイトルのベータ版が多くリリースされる可能性があるということは、2021年が楽しみですね!
他企業への投資
In 2020, we made two new investments: 2UP Games in New Zealand and Papukaya in Finland which brought the total number of our investee companies to 14!
2020年には、ニュージーランドの2UP GamesとフィンランドのPapukayaの2つの新規投資を行い、投資先企業の総数は14社になりました。
他のゲーム企業に投資し、支援・サポートすることを通じ、それらのゲーム企業のSupercellとは異なる見方やゲームの作り方から気付かされることがある、などという事も書いてありました。
2020年決算
見出しタイトル『2020 Financial Results』
『2020年決算』
Revenue for FY2020 was at €1.30 billion (or $1.48 billion), and our profits before taxes (EBITDA) amounted to €407 million (or $463 million). Our profits allowed us to contribute a total of €78 million (or $87 million) in corporate taxes to Finland this year alone.
2020年度の売上高は13.0億ユーロ(14.8億ドル)で、税引前利益(EBITDA)は4億700万ユーロ(4億6300万ドル)でした。私たちの利益により、今年だけで合計7800万ユーロ(または8700万ドル)の法人税でフィンランドに貢献することができました。
Given everything that has been going on in the world, we are happy that our business has been able to remain stable and we feel that the results are pretty good for a company of around 340 people. However, for us, the most important thing about financial results like these is that they enable us to keep investing in making even better games, taking risks and thinking very long term.
世界で起こっていることを考えると、私たちのビジネスが安定していることを嬉しく思い、約340人の会社にとってかなり良い結果が得られたと感じています。しかし、私たちにとって、このような業績で最も重要なことは、より良いゲームを作り、リスクを冒し、とても長期的に考えることに投資し続けることができるということです。
This year we’ll move into our very first custom built office building, Wood City, here in Finland (when it is safe to do so).
今年は、ここフィンランドにある最初の特注オフィスビルであるウッドシティに移転します(安全な時期に)。
Wood City(ウッドシティ)というのはどうやらフィンランドのヘルシンキに新しく作られる地区で、木造建築のビルが立ち並ぶエリアのようです。
こういう素敵な環境で仕事がしたいですね~
最後
見出しタイトル『Focus on Our Vision to Be the Best Place to Create Games』
『ゲーム作りに最高の場所になるためのビジョンに焦点を当てる』
As 2020 showed us, it is impossible to predict what will happen in the future. But what we do know is that we need to continue building a culture that makes Supercell the best place for the best people and teams to create games.
2020年が示したように、将来何が起こるかを予測することは不可能です。しかし、私たちが知っていることは、Supercellを最高の人々やチームがゲームを作成するのに最適な場所にする文化を構築し続ける必要があるということです。
I have been extremely humbled by how Supercellians have adapted to the events of the past year and continue to drive Supercell forward. As I look around I’m inspired by the creativity of our amazing live and new game development teams who keep pushing themselves to do more for our players.
スーパーセリアンがこの一年の出来事に適応し、Supercellを前進させ続けていることに、私は非常に謙虚な気持ちになっています。周りを見回し、プレーヤーのためにより多くのことをするように努力し続ける素晴らしいゲーム開発チームの創造性に触発されています。
I believe that as we stay focused on our dream to create games that are played for years and remembered forever, with a lot of work and a little luck, our best days are ahead of us.
何年もプレイされ、永遠に記憶に残るゲームを作るという夢に集中し続け、多くの仕事と少しの運があれば、私たちの最高の日々が私たちの前にあると信じています。
Finally, and most importantly, I’m thankful for the hundreds of millions of players who play our games and the communities who inspire us every day! Thank you from me and everyone at Supercell!
最後に、そして最も重要なこととして、私たちのゲームをプレイする何億人ものプレイヤーと、毎日私たちを刺激してくれるコミュニティに感謝しています!ありがとうございます!私とSupercellのみんなより。
感想
筆者は現在クラロワやブロスタを遊んでいますが、それぞれのゲームのファンでありながらそれを作るSupercellのファンでもあります。理由は色々ありますが、こういう風に会社のトップが良いことも悪いことも全部話してくれるのを見ても好きになります。という事で今回Ilkkaさんが発信した事を詳しめに見てみました。
2021年、クラロワ、ブロスタ、そしてまだ見ぬ新ゲームの芽が見られるかどうかに期待したいと思います。
※このコンテンツは非公式であり、Supercellによる承認を受けていません。ファンコンテンツに関する詳細は、Supercellのファンコンテンツポリシーをご覧ください。
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