本日大きなニュースが入ってきました。2/9(木)以降、Twitter APIの無料利用ができなくなるというニュースです。
Twitter APIに触れたことがある筆者にとってはショッキングなニュースですが、「Twitter APIって何だ?」という人も多いでしょうから、そういう人も対象にしてこの記事を書いてみようと思います。
【更新履歴】
[2023/02/03] 追加情報を追記しました。Twitter連携でのログインに関しては影響がない可能性があるということと、今回の変更はTwitter APIの悪用を防ぐ目的なのではないかという点です。
[2023/02/09] 追加情報を追記しました。また本記事の先頭に「情報まとめ」の章を追加しました。
目次
現在(2/9)までの情報まとめ
Twitter APIの無料での利用は2/13までとなる。
ただし一般のTwitterユーザーがTwitter自体を使い続けることは今まで通り(無料で)できる。
今回の変更で影響を受けるのはプログラム的にTwitterを使う「Twitter API」の利用者である。
一般のTwitterユーザーも色々なサービスとのTwitter連携(サービスへのログインに使用してるケースも有り)でTwitter APIの仕組みを利用しているが、今回はTwitter連携に関しては影響が無さそう(な雰囲気)。
Twitter APIの無料での利用ができなくなると言ったが、一ヶ月に1500ツイートまでなら今まで通り無料でTwitter APIを使える(新たな利用プランができる?)
⇒ ツイート数が少ないbotは今回の変更で死なない(可能性が大きい)
【筆者の見方】今まではTwitter APIの利用は無料で広く多く行えていました。今回は無料でできることをぐっと絞って(1500ツイート/月)それによってTwitter上の悪質なbotを減らそうという目的があるのではないかと思われます。
発端(公式からの発信)
2/2(木) 15:05、Twitterの開発者向けの公式アカウント(@TwitterDev)がツイートをしました。
このツイートスレッドを筆者が翻訳したものが下記です。
2月9日以降、v2とv1.1の両方のTwitter APIへの無料アクセスはサポートされなくなります。代わりに有料の基本レベルが利用可能になります。
何年にも渡って、何億人もの人々が1兆回以上のツイートを送信しており、毎週数十億回以上のツイートが送信されています。
Twitterのデータは世界で最も強力なデータの集合体の1つです。私たちは引き続きみなさんが私たちと共に構築できるように、迅速かつ包括的なアクセスを可能にすることに取り組んでいます。
来週にはより詳細な情報をお届けする予定です。
要約すると「2/9(木)以降は今まで無料で使えていたTwitter APIの機能は停止し、使い続けたかったらお金を払ってね」ということになるでしょう。
Twitter APIとは?
通常、「Twitterの機能を使う」と言うと、AさんがAさんとしてタイムラインを見たり、ツイートしたりすることを言うと思います。
Twitter APIというのは簡単に言うとプログラム的に「Twitterの機能を使う」ことができる機能のことです。
Twitter APIを使うとBさん(Bというサービス)がAさんのタイムラインを見たり、Aさんとしてツイートしたりすることができるようになります。これはAさんがBさんのサービスにTwitter連携することで可能となります。
また、BさんがBさんとして自動的にツイートするケースにもTwitter APIが使用されます。このBさんのことをbot(ボット)と呼んだりします。
Twitter自体の利用が有料になる?
つまり、AさんがAさんとして「Twitterの機能を使う」分にはTwitter APIは関係ない(*)ので、今回の「利用停止」によってTwitter自体の利用が有料化される訳ではありません。Twitterをブラウザで利用したり、スマホの公式アプリで利用したりすることはこれまでと同じように可能です。
(*)ただし、サードパーティー製のTwitterアプリはTwitter APIを利用して成り立っており、この場合「アプリ=Bさん」という立場となります。これらのサードパーティー製アプリは最近一足早く(?)使用できなくなっています。
【参考】
「今までありがとう」サードパーティ製Twitterアプリの公式アカウント、開発停止を続々表明【やじうまWatch】
Twitter APIを利用しているサービスとは?
つまり、今回の「利用停止」で直ちに影響を受けるのは、現在Twitter APIを利用しているサービスということになります。
前述の通り、Twitter APIを利用しているサービスは、簡単に言うと「Twitter連携」と「bot」に分けることができます。
Twitter連携
Twitter連携というのは、例えば、ABEMA(Bさん)に自分のTwitterアカウントを連携しておくと、コメントを入力した時に自動的にその内容がツイートされる(BさんがAさんとしてツイートする)、などといった機能です。これはオプション機能的なTwitter連携と言えるでしょう。
一方で、例えばツイプロ(twpro.jp)など、サービスのログイン自体にTwitter連携を使用しているサービスもあります。
bot
bot(ボット)というのは自動的に(プログラム的に)ツイートするTwitterアカウントなどを指す言葉です。
botの多くは、BさんがTwitter APIを使ってBさんとしてツイートしています。これはbotの作成者自身の問題となるので詳細は省きますが、今後Twitterのbotを作る(or 継続する)のにもお金がかかるようになる可能性はあります。
Twitter連携しているサービス(アプリ)を確認する
現在、自分のTwitterアカウントがどのサービス(アプリ)と連携しているかは、Twitterの設定から、
[セキュリティとアカウントアクセス] > [アプリとセッション] > [連携しているアプリ]
を表示して確認できます(Webブラウザとモバイル公式アプリ共通)。
単にオプション機能的にTwitter連携してる場合はまだ良いのですが、サービスのログイン自体にTwitter連携を使用している場合、Twitter APIの無料利用停止によりそのサービスのTwitter連携が停止すると、そのサービスへのログイン自体ができなくなる危険性があるのでユーザーとしては注意が必要です。
そのサービスから「Twitter社にお金を払ってTwitter連携によるログインを継続する」アナウンスが無い場合、ユーザーは各自2/9(木)までに可能ならTwitter連携を使用しない別のログイン方法に切り替えることをおすすめします。
新しい仕組み?サードパーティー製アプリの復活?
最初に書いた公式ツイートにある、現在のTwitter APIへの無料アクセスの代わりとなる「有料の基本レベル」(A paid basic tier)については調べても詳しい内容は分かりませんでした。
ですが「Elevated+」という新しいTwitter APIのアクセスレベル(*)が近日中に公開されそうであり、これがそれに該当する可能性があるかな?という気がしました。
(*)利用プラン、料金プランみたいなもの
Getting Started with the Twitter API | Docs | Twitter Developer Platform
この公式ドキュメントに「Elevated+」の文字があります。
もしかすると、この新しい利用プランを使うことで、現在停止状態となってしまったサードパーティー製Twitterクライアントの復活もあり得るのかな?という風にも期待します。
(2023年2月3日追記)
今日までにいくつかのサービスがTwitter社に問い合わせた結果を発信しています。
どうやら今回の無料使用停止によって「Twitter APIの全ての機能が無料で使えなくなる」ということでは無さそうです。
ただし変更になる内容が明らかになった訳ではないので、サービスが上記で案内しているように、ログインにTwitterログインのみを使用している場合は、他のログイン手段を確保しておくのが良いでしょう。
また、Twitter社のオーナー兼CEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏は次のようにツイートしました。
訳してみるとこうなります。
無料APIは現在、詐欺や意見操作を目的としたbotにとても悪用されている。検証プロセスやコストがないので、悪意のある10万のbotを簡単に立ち上げることができるのです。
ID認証を伴うAPIアクセスに月々100ドルを支払うだけで、事態は大幅に改善されるでしょう。
どうやら今回の無料利用停止の目的(の1つ)はこういう悪意のあるbotの排除にあるようです。じゃあ、「悪意のない楽しいだけのbotはどうなるの?」という疑問が湧きますがそれについては不明です。
ともあれ、正確な情報を知るには来週の公式発表を待つという事については変わりありません。
(2023年2月9日追記)
2/9(木) 8:43、新たなツイートがありました。
このツイートスレッドを筆者が翻訳したものが下記になります。
私たちはTwitter APIのいくつかの更新で忙しくしており、皆さんが私たちと一緒に構築と革新を続けることができるようにしています。
現在の無料のTwitter APIアクセスを2月13日まで延長することを発表できることを嬉しく思います。
毎月100ドルの料金で、低レベルのAPI使用を提供する有料の基本アクセスと、Ads APIへのアクセスが可能となります。
私たちのビジネスシステムにとって非常に重要であるため、新しい形式の無料アクセスが導入されます。これはTwitterでのログインを含む1つの認証済みユーザートークンに対して1か月あたり最大1,500ツイートのツイートの作成に制限されています。
また、2月13日にPremium APIを非推奨とします。Premiumに登録している場合は、Enterprise に申し込んでこれらのエンドポイントを引き続き使用できます。
これは、品質を向上させ、スパムを減らし、繁栄するビジネスシステムを可能にするTwitter APIの新しい章です。これらの変更を実装するまで、今しばらくお待ちくださいますようお願いいたします。皆さんが次に何を構築するのか楽しみにしています!
TwitterのAPIアクセスの継続については、今後の情報にご期待ください。
要約すると、無料のTwitter APIアクセスの期限は当初の予告での2/9から2/13に変更になったということ。そして、今後は1ヶ月あたり1500ツイートまでなら無料アクセスが可能になるということです。
ただし無料でのAPIアクセスに関しては、ツイートする事だけ回数が制限されるのか、無料で出来ることがツイートすることだけ(*)になるのかはいまだに不明です。
(*)Twitter APIを使うことで出来る事は、ツイートする事以外にも、ツイートを検索したりアカウント情報を調べたりフォローしたりと、色んな事があります。
最後に
もしこの先サードパーティー製Twitterアプリが復活しても、順番が逆だろうと、Twitter API有料化→アプリからの従来の方法でのアクセス禁止の順が正しいだろうと思います。
ともあれ、最近のTwitterは変化が早くそして大きいです。不安な面もありますが大きく改良されるのではないかという期待もあります。
来週に行われる詳細の発表を待ちたいと思います。
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